2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧
「戦さがなくなり、平和が50年も続くと、大声楽家がばったり出なくなる」ということを、声楽家の畑中良輔氏は言っていました。中欧の研究家の説とか。 イタリア人は、「大声に虚言なく悪人なし」、立派な声の男から小声で口説かれるのが、もっとも魅力的だそ…
人が、身体の制約から解放される一方で、身体性を求めることは、なくならないはずです。 テレビでみて、興味をもてば、その現場に行ってみたくなるわけです。 何かで聞き知って、ライブに行くのと同じです。どんなに武器に戦闘能力がついても、人は、人と人…
個人individualを役割で分けた分人dividualという概念があります。 元より、一人の人間であっても、いくつもの顔をもって、人々は行動していたのです。 どの社会でも自分に求められる役をいくつか演じ分けてきたといえます。
バレエやダンスの練習では、動きやポーズを鏡の前でチェックします。 それに対して、声や歌では、録音の再生でチェックするのです。音声の分析がグラフでリアルタイムに表示できるようになったので、それを参考にチェックすることもできます。 ここで大切な…
錯覚や錯聴は、実際とは違うのでイリュージョンとなります。 しかし、そこにリアル感があり、本物以上の体感を与えると、現実以上にリアルなシミュレーションゲームができるのです。 それは、誰もが映画でも体験しているわけです。3Dから触覚、嗅覚なども含…
物理世界では、光速は30万キロメートル/秒、音速は340メートル/秒ですから、光は音よりずっと速いのです。花火では「ピカッ」と開花して、しばらくしてから「ドーン」です。 しかし、40メートル内になると、目よりも耳、視覚で捉えて動くよりも、聴覚で聞い…
ニュートンは、物理学者で、プリズムの実験では、光を七色に分けてみせました。色によって屈折する角度が違うことを発見したのは、18世紀初頭のことでした。 そこから1世紀ほど後、ゲーテは、色彩論で反論します。プリズムを目に当て、白と黒の間に色をみた…
アインシュタインの示す世界は、ニュートンが示す世界よりも物理的世界というようなことになります。でも、私たちは、リンゴが落ちるとみえる主観的世界にいるので、リンゴを地球が引っ張っているというニュートンの世界は、充分に、物理的=科学的です。主…
芸術の多くは、いえ、ややこしいので、たとえば、舞台の演劇としましょう、それはまさに虚構の世界です。しかし、そこで私たちが共感してリアルを感じます。現実以上に現実感を感じることがあります。それをリアリティとかリアルと言って、求められてきたわ…
現実の世界は、私たちが主観的に感じて組み上げているので、現実そのものとは違います。その現実感をリアルといってきました。 現実とか世界とか、リアルというのも、混同されて使われています。ここでいう現実とは、物理的世界のことで、そこに私たちが感じ…
他人にくすぐられるとくすぐったいのに、自分でくすぐっても、くすぐったくはないですね。ロボットアームでくすぐると、どうでしょう。自分で操作すると、やはり、くすぐったくないのですが、0.2秒以上の時差をつくると、くすぐったいそうです。 イグノーベ…
スマホでは、歩数計が使われています。(今は、万歩計とは言わないのでしょうか。) それと同じく、身体の情報がすべて数値化されて記録・管理される日は近いでしょう。 体の次は心、つまり、情動を数値化することになるでしょう。喜怒哀楽といった感情を記…
ウェアラブルコンピュータは、アップルウォッチほどに小さくなりましたが、この先、メガネ型や指輪、皮膚への埋め込み型となっていくことでしょう。SF映画でおなじみですね。 元をたどると、これはスマホ、携帯、電話と遡ります。 その機能は、声と聴覚を結…
眼鏡も医療機器だったのですから、義手義足もメガネのようにファッションとなるでしょう。センサーや筋肉の電気処理技術の発達に加え、3Dプリンターでの造形が支えます。 廊下に立たされたのび太は、ドラえもんから「ゴルゴンの首」を借りて、足を石にして疲…
プロのアーティストは、誰かに認められ、承認され、尊厳をもってステージに立っています。ファンであるなら、その誰かにあなたは入るのです。 価値をつくって伝えるアーティストは、絶えず創造しては試します。 同じことをやると、価値は消費されていくから…
客のなかには、アーティスト同様、いや、それ以上に楽しんでいる人はたくさんいます。 楽しむということだけなら、そこで、それを与える大きな責任と能力の発揮を必要とするアーティストより、自由気ままに好きに楽しむ客の方が上でしょう。 お金でその価値…
皆が自由を行使すると、必ずある人の自由によって不自由を被る人が出てきます。相互にいろんな力関係も働きます。 ステージ上のアーティストとステージ下の観客は、違う自由をもっています。全員がステージには上がれません。 ステージに立つ人、そのなかで…
「今、実行できる能力」というのなら、選択肢も選び方も実行できる範囲でとらなければなりません。自ずと、かなり制限されます。 しかし、「自分の力を変えていける」と思うのなら、今、判断する必要はありません。 「将来に」、という時間をみるなら、その…
情報を集めるというのは、それによって様々な選択肢を探すことです。次には、どれかを選ぶのです。 でも、「適切に選ぶために、その能力をつける」となれば、そのヒントを与え続けるのが、レッスンでしょう。
悪いと思えば悪い、不自由とか不快と思えば、不自由、不快と感じてしまうのは、人間だからでしょう。 トレーニングは、自分を強くして乗り越えることをベースとする考え方が必要です。 しかし、レッスンは、それだけが目的とは限りません。 強くすることが本…
ある状況に対して、「不自由」、つまり、「不快」、「苦しい」などと感じたときには、少なくとも、3つのケースがあります。 その状況が悪いのか、状況をそう感じる自分が悪いのか、その状況を変えない自分が悪いのかです。 悪いというよりは、問題と言った方…
今のように、たくさんの選択肢があると、今度は、「うまく選べない」ということで不自由と感じます。選ぶ能力が求められるのです。 何をどう選んでよいのかわからないというケースが、昔よりも圧倒的に多くなりました。となると、選べるように考えることがで…
これまで、「自由は、不自由があってこそ、そこから逃れるときに感じられる」と言ってきました。たとえ、不自由であっても、そこから逃れられる選択ができる状況なら、人は、けっこう楽でいられます。「選べる自由」を感じていられるからです。 「選べる立場…
自分の思いと相手の思いは、けっこう違っているということがあります。こちらが親友とかマブダチと思っても、向こうにとっては、こちらは多勢のなかの一人ということもあるでしょう。相互に同じくらいに関りたいというのではなく、片方は、そこにいるだけと…
報告やレポート、アンケートでは、そこに本人が自らの意志で、どのくらい関わろうとしているのかということを読みます。 なかには、「提出するように」と言われたから、「大して、そのように思ってもいないけど書いてみた」というようなものもあります。 何…
日本では、よく「皆が…」と言います。「私」に対して「公」、「みんな」とは、誰のことなのでしょう。私は、「皆が…」というような表現が入ると、「それは誰なのか」と聞き返します。「クラスでは」「学校では」「町内では」「○○部では」「会社では」「従業…
「○○流をやっているところに通う」などと言われたときにも、これまでのところで定期的に持続的なチェックを続けることを勧めています。そうでないと、そこでの結果もわかりません。 いろんなところに行って、「2、3カ月で効果が出た」と言っては、「半年で出…
アドバイスするにも、材料が必要です。 私は、現状と改善法での効果と副作用、その選択の理由と根拠をもって、セカンドオピニオンの仕事の意味があると思います。 そのときは、慎重な言い回しをします。 リスクや副作用は、どんなことにも必ず伴うと思うこと…
用心したいことは、効果ということです。 これも、簡単に「こうだ」と言えるものでないことが多いのです。 ある効果が目にみえやすいことも少なからずあります。 しかし、トレーニングのメニュを医師の治療や薬のようにみてはなりません。 自分の体は世界に…
100パーセントの「よいレッスン」も「よいトレーニング」もなければ、100パーセントの「よくないレッスン」、「よくないトレーニング」もありません。 TPOや目的、レベル、それに、あなたの個性も含めて、それぞれ違います。 その時期、そのとき、その日でも…