他人にくすぐられるとくすぐったいのに、自分でくすぐっても、くすぐったくはないですね。ロボットアームでくすぐると、どうでしょう。自分で操作すると、やはり、くすぐったくないのですが、0.2秒以上の時差をつくると、くすぐったいそうです。
イグノーベル賞での「スピーチジャマー」では、0.2秒、話声を遅らせて(delay)本人の耳に届けると、まともに話せなくなるのです。それは、自分の声を脳内で聞きながら話しているからです。声のディレイで話しにくいのは、国際電話やスカイプなどですが、そのため、そこでは、それを妨ぐエコーキャンセラーが使われています。
こうした聴覚の発声からのフィードバック機能は、声の大きさでもみられます。周りの声が大きいと、私たちも、つい声が大きくなるのです。ステージの歌で、よく失敗するのは、モニターの返しが小さいため、無理に大きな声を出してしまうことです。
こうして、声も身体性に深く根差していることがわかります。