夢実現・目標達成のための考え方と心身声のトレーニング(旧:ヴォイストレーナーの選び方)

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に( 1本版は、https://infobvt.wordpress.com/ をご利用ください。)

05.声域/声区/ミックスヴォイス

声の表現としての可能性

私が考えるのは、いつも表現としての、その人の最大の可能性です。2、3年で限界が来るようなことを行うのでは、基礎トレーニングではないから、最初に、それも踏まえてあらゆる可能性についてお話しするわけです。優先度や重要度について相互に了解するため…

固めないこと

これまでの中音域でのボリューム感が失われたり、低音域が出にくくなったり、声量やパワーがなくなったとしても、それが発声法と思って、固めていくわけです。安定すると固めるとは、全然違うことです。 調整とは、器を大きくするのではなく、器の形を変える…

高音発声法

発声法としてマスターしてしてしまうと、その発声方法のために、将来もっと伸びるはずだったところに限界が来るわけです。ですから小手先のテクニックや応用のほうに気を取られてはいけないと再三、いっているのです。

目的次第

もちろん、それでいいという人もいるし、それが必要であり、他のことを重視しない人もいます。そこはその人の自由です。高い音に届かないときは、そればかりに悩むものです。そして、そこは教えやすいテクニックなので、求められたら対応するのもよくわかり…

声域より声量

根っこを深くしないと高くも伸びないのですが、多くの人が高く届かせることばかり考えるわけです。これも簡単にたとえますが、例えば、今の声の使い方を、高い声を出したいということで、上に引き上げたとします。すると、多くの場合、2、3ヶ月もたたないう…

使えること

目的がその音に届かせるということであれば、それでよいわけです。カラオケなどはスムーズにこなせるようになるでしょう。 ただ私の思う歌に対応する力というのであれば、そこに表現力が伴わなくてはなりません。むしろ、それが劣ってしまうことが多いのです…

声域の拡大のまやかし

教えるときには、声量を抑えて細い声にして、その分、声域として縦に細長く、その方向へ伸長すればよいのです。それは私がいうところの調整であり、トレーニングというよりは、一種のトリックです。そのために器が大きくなったのではなく、器の形を変えただ…

声域と声量

声域も声量もできるところまで拡げておけばよいのです。 声域の場合は、それを目標にがんばってしまうため、そうした無理がもっと大切な要素を失わせてしまうというリスクがあるから、お勧めしないのです。 声量でも、がなったり無理な出し方をしていると、…

高音域

声域の場合は、なぜかしら、高く出る方が凄いと思ったり、その音に当てるだけを目標にして、くせがつけて固めていることに気づかない人が多いから、注意するのです。 指導者も高音域を売りにするわけです。 ポップスの場合は、どういう声でも通用する例があ…

売り

声域は、狭いよりは広いほうがよいというくらいです。3オクターブをめざしたいなどというのは、両手を広げても届かない鍵盤のピアノのほうが楽器として優れていると勘違いするようなものです。 そういうことを売りにするトレーナーがいてもいいし、それに挑…

クラシックとポップスにみる高音志向☆

クラシックでは、19世紀の初頭までは、テノールでさえ2点イのAのところまででした。その上は頭声、ファルセットを使っていました。やわらかい響きを好んでいたのです。それが、19世紀からどんどん高くなっていきました。ポップスも1970年以降に、似た動きと…

ミックスヴォイスのブーム

ミックスヴォイスの流行は、一時の現象と思っていたのですが、いろんな論文などでも取り扱われています。学会などで数人の異なる発声を全てミックスヴォイスと、同一に切ってみせる様もあり、驚いたことがあります。 共通点は、かすれた声(高音域での統一さ…

日本人の声☆☆

なぜ、皆さんが、他の国の声、未来の声に、もっと敏感にならないのかと思うことがあります。声は、国民の声など、意見の意味で使われることがあります。声は、メッセージ、働きかけなのです。 日本人の声がパワフルにならないのは、日本の国民性ゆえです。コ…

大げさに

共鳴する箇所として教えられていることも、本当は、共鳴体感部がどこなのかというようにしか、発声では教えられないのです。とにかく、弱く響かすより強く響かす方が簡単です。第一に、体や呼吸が動員しやすいからです。全身でバントするより、全身でフルス…

共鳴の練習

共鳴しないのは、きちんと声にしていない、がなっている、声帯が合わさっていないのです。これはイメージ言語というものです。ポピュラーを扱っているて「ハスキー=だめ」はないのです。でも、できる限り、声に活かせぬ息の音はなくしたいものです。表現で…

技法ジラーレほか

高音域にもっていくときに声が裏返ってしまう、これを防ぐためのカバーリングが声楽からヴォイトレに入ってきました。高音で喉を壊す人は少なくなりましたが、それは、ストレートに大声にしなくなったからです。それが最大の貢献かもしれません。 ステージで…

シンギングボールでみる発声原理☆

研究所には、直径40センチくらいのシンギングボールがあります。お寺などで仏壇でカーンと鳴らす鐘のようなものです。これを響かせるには、もっとも響くところをもっとも強く打ち、鐘の共鳴を邪魔しないようにします。下に共鳴箱のような原理の台座を置き、…

響くということ

鐘のどこを打つとどうなるかは、音響物理学に任せて、これを人間のどこに響かせるかということに置き換えます。私の基本的な考えは、響かせるのでなく、響かせてはダメで、響くのを待つということです。しかし、プロセスとしては、(つかむ)打つ、(はなす…

高い声へのアプローチ

高い声が出ないから出したいので、高い声で練習します。すると、あるところで限界となります。これを自主レッスンで行うと、将来、もっとできたはずの可能性をなくします。雑になって疲れさせ、悪い状態にして、手前で障害をもたらしてしまうのです。そこで…

裏声アプローチとハミング☆

ファルセットを使うのが増えたのと、弱くても少しでも高い音しか求められなくなったこともあり、いつ知れず裏声でのアプローチが全盛となりました。リスクが少ないことが大きいでしょう。これは本質ではなく、使い方での応用、やり方でのノウハウに過ぎない…

共鳴と母音

歌を中心とした音楽的な方向は、声の共鳴が基本となります。共鳴には、いろんな要素が含まれています。 まずは、母音、これは口内、舌の位置で変化します。ここでの母音は日本語だけでなく、世界共通の母音、つまり、子音でないものです。 子音は、調音点で…

あてる

高い声に届かせようと、あてようとするとあたりません。あたっても、大してよいものではないのです。魅力的な声でも、表現できるキャパシティのある声でもないからです。カラオケなら届けば充分です。 ただ、あたればよい、あたったら次にいけるように考える…

マスケラ、ベルカントのマスター

マスケラ、ベルカントをマスターしたという人の中でも、日本で合っているといわれている人ほど大した声にもなっていないように思います。技術としてマスターした声が、それ以前のものより表現力に乏しくなっている人も、たくさんいます。単に「楽に高い声を…

観衆ばかり☆

母音を、切り離すという練習法は、劇団四季の浅利さんが、今や劇団を超え、日本の子供たちにも教えている方法です。私は、舞台の表現、演出としては、主宰者の好みとなりますから、口をはさまないのですが、日本語の発声や歌としての方法については、別の見…

ミュージカルでの応用

どこまで高い音を使うのかは、ポピュラーのソロなら、声の音色で決めることです。オペラやミュージカルは、曲で決まっていることが多いので、声域の獲得と、確実なキープが第一の条件になります。特にミュージカルに声楽の基礎のない人が抜擢されると、いつ…

高音トレーニング

プロやいろんな人とやってきた人は、ここにいらっしゃると中低音での発声や、音色、共鳴を見直し、大半のケースでは、ほぼやり直します。ここでは、共鳴以前の発声、呼吸、姿勢まで基礎づくり、多くはイメージづくりからです。 そこで声の方向性や共鳴の焦点…

高音の問題

Jポップスでは、高い音に届かせたいというのが、もっとも多い課題です。これは音大生の最初の壁と同じです。コンコーネ50のメニュには、2つほど、高いラの高さまであります。そのため多くは高音のクリアが中心課題になってしまいます。 ポップスでは、ファル…

3段ロケット(B→A→C)

基礎の力については、なかなか伝わりにくいので、私は、レクチャーで話しています。 基礎を徹底してやれば応用に効いてきます。基礎がBとしたら、それは応用Cに届くのです(Bはベーシック、CのベストはウルトラCのつもり)。 それではよくワークショップなど…

すぐにできることは問題と言わない

多くの場合、くせで固まっているのです。早くうまくするなら、そのくせを器用に扱うすべ(共鳴)を教えます。根本的によくするのなら発声をおいて、声そのものについて学ばせることです。 「できているなら課題ではない」のです。「できないから課題」なので…

離れる

発声の先生で"地声”の悪い声を避け裏声だけを使わせる人がいます。「地声は厳禁」というわけです(こういう地声裏声の用語については拙書に詳しい)。ケースによっては「練習を裏声で、歌で地声」というのも決しておかしくないのです。 「高音が出ない」とい…