夢実現・目標達成のための考え方と心身声のトレーニング(旧:ヴォイストレーナーの選び方)

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に( 1本版は、https://infobvt.wordpress.com/ をご利用ください。)

大げさに

共鳴する箇所として教えられていることも、本当は、共鳴体感部がどこなのかというようにしか、発声では教えられないのです。とにかく、弱く響かすより強く響かす方が簡単です。第一に、体や呼吸が動員しやすいからです。全身でバントするより、全身でフルスイングする方がとりくみやすいのに似ています。力づくだからこそ、正しくなくとも正されたら、その方法で得るものがあり、結果が間違っていてもよいといえるのです。

 トレーニングは、最初は大げさにやることというのが私の方針です。過保護に、最初に全力で振って空振りしたら体を痛めるだろうから、バントからやりましょうなどというノウハウができてきたようなものです。体を痛めるなら、痛めない体をつくるまで、そこまで振らないのが、まっとう、いや基本的な考えです。

 強く大げさなのは、荒く雑に乱暴になりがちです。それでトレーナーは禁じたくなるわけです。痛めてわからせるわけにはいかず、痛めないように危険を排除するのはともかくも、少しずつ丁寧にしていく。そこは、トレーナーのとるべきスタンスであり、考え方です。そうしてあらゆる可能性から選んだならともかく、そこに一つにしか答えに至るプロセスがないと考えるようになったのがよくないのです。その結果として、誰もが同じ発声、同じ声質、同じ歌になっていくのです。「強く」と「雑」は明らかに違うのです。「強く」がだめでなく、「雑」なのがだめなのです。