2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧
日本のように受け身の教育を体験してくると、先生も生徒も、それが、レッスンと思ってしまいます。 一方でアーティストなどは、型破りに、自己流で直感的にワークショップを行っています。それもまた、別の意味で即効的で、表面的なものにすぎないことが少な…
歌を教えることを目的にするのと、他人に歌を聴かせることを目的にするのは違います。歌いこなすことと歌をつくることも違います。リズムや音をとることと、リズムや音をつくりだすことも違います。 普通は、マイナスをなくすことがメインです。うまい人にそ…
プロには、表現、オリジナリティでの効果を軸に、普通の人にはフィジカル面、喉、あまりよくない人にはメンタル面を処するのが中心となります。 プロに対してのレッスンは、トレーナーが自分のできることでなく、できないこと、そのプロにおいて、ギリギリで…
大体において、習い事は、すぐれた人が自らをもっと高めるのに求めるか、同じように学んでいるなかで、自分はうまくいっていないと思うのが動機となります。 この研究所は、こういう分野に、初めてということでいらっしゃる人にはガイダンス的役割、いろんな…
しぜんな発声は、オペラでは、パバロッティのような人でないと100パーセントは実現できない。としたら作品ありき、人はいないとなるわけです。それでは、そういう人の魅力に支えられている本場にかなうことはありません。 発声、歌唱、ヴォイトレに、このよ…
歌以外の人をみることが多くなっていますが、オペラ、邦楽に関わらず、歌手という職の存在意義が問われていると思うのです。安全で安心な人だけが求められる状況が、舞台をつまらなくしてしまうのです。 宝塚歌劇団や藤原歌劇団も、当初はそうでなかったはず…
研究所の当初の目的の一つは、100人に1人のアーティストと99人の耳のよい客をつくることでした。これを20年くり返してスターが20人出たら、日本はおろか、世界も変えられるのです。私でなくアーティストたちによって変わるのです。 オペラの養成所として莫…
落語や邦楽に比べ、歌は日本人の二重性、舶来品好きがフィルターをかけている分、プロゆえに、そのふしぜんさ、特殊であることに気づかなくなることが少なくありません。 当初、「男が音楽やファッションにうつつを抜かすとは…」などと言われた時代に学んだ…
オペラがつまらないと思うのなら、そんなものに接せずに自分がやればよいのです。出演者が客にまわるほど感動できることを自分でやればよいのです。私は彼らの期待する客から最も遠いか近いのです。 しぜん=素人として、こういうのを見ない人、途中で切った…
小さい頃、映画館に行くと、映画というフィルムの世界に入れず、自分の外側の世界を感じ、きまりの悪くみえていたのを思い出します。スクリーンに知らない世界の映像が投影されている。そんな感じです。 200年前の、遠いヨーロッパの国のことを日本人が、向…
私も無理して背伸びする時間があったからこそ、今があるのですが、ここ4、5年、トレーニングを再開して、確かに声の調子がよくなったので、自分のメソッドのよさを実感しています。どのメソッドも、そのまま他人に通じるわけではありませんが。 私は、舞台を…
正月恒例のガラコンサートに文枝師匠が出演されていたので、通してみました。昨年は少し若返りして、ガリガリしていた、若さでなく質ですが、今年は、今の日本の舞台でよくやるものを中心に、タレント、知名度のある人をもってきて視聴率を上げようとしてい…
私はトレーナーにも生徒にも一冊の本を、自分の本を書くように言っています。本当に書いた人はこれまで数人ですが、本一冊分以上書いた人もたくさんいます。 トレーナーなら2、3年で毎回しっかりレポートを出しているので、それだけで400字200枚くらいになり…
一つの方法がよいか、複数の方法がよいか。トレーナーを変えた方がよいか、続ける方がよいか。私は「どこのトレーナーがよくない」ということはありません。ここと両立させている人もいるからです。 ここのトレーナーは最低2人ついて、それをメタでみるサー…
いろんなトレーナーが20年、30年とかけて、人をみてきたところからの判断や処方は、とても参考になります。トレーナーにも天才的な人や神様のような人もいますが、実績のある人ほど、ある特定の条件下での対応となってしまうため、なかなか一般化できません…
これまでにもボディビルダーやフィジカルトレーナーのように体のつくりそのものを研究してきました。いつか毎日のトレーニングメニュや食事など、24時間の管理において、ベストのプログラムを実現していくのは、トレーナーの夢でしょう。 「貴方は、この項目…
向こうの曲に関西弁をつけて大ヒットをとばした歌手が、私のところに向こうのレベルの声と体を求めてきたことがあります。そのころの私は、まだ体についての理解が十分ではなかったので、彼は、イチローのトレーナーのところに行きました。「1ヶ月で太ももが…
歌や声が声がよいからとまねしたところで、人は育つものでしょうか。それがトレーナーの資格だとすると、私も世界一、声がよく、歌がうまくならなくてはなりません。 私が見本をみせるとよくないのは、それがサンプルになるからです。サンプルの一例というな…
これを述べているのは、自己を正当化するためではありません。結果として、誰でも自分が正しいという自己肯定から始めています。ですから、批判すると、天に投げた矢は、自分に落ちてくるのです。 研究所は、私以上の研究生やトレーナーがきて、学べることを…
声楽家の先生などには「日本人の発声は皆、間違っている」と言う人がいます。「日頃からイタリア人のように発声しろ」と教える先生もいます。私はそういう人の理解者でもありますが、教え方については、一般化できないから相手にされないと思うのです。もち…
声を使わなくなったための劣化は、声をよく使う職業から引退した人をみると、よくわかります。歌手のなどは、歌わなくなると声が高いところへ届かなくなり、声量も衰えます。 トレーニングは、使わないために劣化することの逆をやると思えば良いのです。使っ…
ものまね芸人を見ていると、意図的にいろんな音色をつくる能力を、人は持っていることがわかります。奥様には、「よそ行き声」と子供を叱る声が、1オクターブも違う人もいます。電話での応答で、相手によって別人になるのは、女性に限ったことではありません…
確かに発声法でなく、声そのものが変わっている人で、声でプロになっていく人もたくさんいるのです。 プロという声の定義はとてもややこしいのですが、私は、いくつか機能面をチェックとしてあげています。その多くは総合化したもの、声の使い方であって声そ…
声のまわりの問題を総合してから、その人自身の声そのものの問題に焦点をあてます。そこで、声はどのように鍛えられていくかということをみてきました。 ヴォイストレーナーも成果を急がされ、プロデューサーや演出家的のような役割を求められています。その…
歌唱、発声の2オクターブをみると、ほとんどは1オクターブ半以上高くなると、声帯の使い方が変わります(声域が変わる。裏声、ファルセット)。別のやり方で、振動数(つまり周波数)を増やす使い方にします。 「基礎講座」では、基礎の1オクターブまでが中…
拙書の「基本講座」では、高低差(声域)3度ドレミレドと、声量ド<ド>ド強弱差(声量)を同一の見地で述べています。ドからミへ音(ピッチ)が高くなるのは、体や息の負担でない。むしろ「高い方は楽になる」というのが反論としてありました(新刊版では説明…
今度は、長さ(小節)を省きます。あなたの器を100として、10×10つまり、声域1オクターブを10とし、声量に10を使うとします。 →声域を半分にすると5、その分、声量へ20をかけられます。 →声域を3音だけとすると、声域3×声量33.3… →声域を1音(もっとも出しや…
ある1フレーズ(8小節くらい)をサンプルとします。あなたの歌うための声、器の容量が2オクターブで16小節とします。 器(トータル)を拡げるイメージ トータル=2オクターブ(使う声域)×16小節[伸ばす長さ]×声量 2オクターブなら8小節×声量1Q(単位は仮に…
誰にでも共通して必要な「基本メニュ」が難しいので、簡単にしたものをたくさんつくってきました。トレーナーにも、「これがいい」とか、「これはよくない」とかいろいろと言われているようです。しかし、メニュの形式でなく、目的を明確にすることが大切で…
ヴォイトレでは、声中心にしたいものです。それは当たり前のことなのに、日本ではそうなっていません。 ヴォイトレで、本質的なことをやりたいなら、本質的なメニュとそうでないメニュを区別しておくことです。 とはいえ、こういう説明もあまり意味が伝わら…