23.一般的なヴォイトレ/スクール/トレーナー/レッスン
一番困るのは、当人が自信満々で、自分のどこが悪いのか、というようになっていると、トレーニングもレッスンも成り立たないです。やれる、やれないは、世の中が判断します。あるいは本人がよければ、それでいいのです。それは、他の学校などが理想目的にす…
他の学校でうまくいかなかったから、他でやるのではなく、うまくいかなかった理由はなにか、を探りましょう。 そこでもうまくいった人もいたではないかと、きちんと見なければ解決もしません。それまでの年月も無駄になります。
歌は、その人が20歳なら、20歳までに育ちの中で自然に身につけた力の差が大きいのです。 専門の学校に何年か行っても、そこのトップの人を最下位の人が追い越すということは、ほとんどできません。 感覚や勘で声を操る能力も必要です。
私は、音楽学校の設立などの協力もし、トレーナーの指導の勉強会にも呼ばれます。 実際のヴォーカルスクールの生徒をみていると、何を学んでいるのかよくわからないからです。 歌をみても声をみても、そのキャリアがわかりません。 では、何を身につけたのか…
弟子は師匠の前座でやったりします。客は師匠の客だから、違うものよりも師匠に似ている人を好みます。それが楽器であれば、そのまま師匠に追いつき、いつか越せるかも知れません。 しかし、声は楽器が人間だから、師匠とは持っている楽器、つまり声帯から身…
ヴォーカリストを評価するためには、そのヴォーカル以上の存在でなければわからないというような考え方があります。もちろん、私が夏目漱石とか森鴎外の小説への批判本を出しても構わないのと同じで、そのこと自体は自由です。しかし、それ以上の作品を描け…
逆にいうと、歌手を兼ねて、ヴォイストレーナーをやっていたら、生徒がお客さんという形が成り立ちます。大学の先生が、昔、自分の著書を教科書として使うから、出版社が出版を引き受けたみたいな、明らかにアンフェアなものといえます。
商売がうまい先生や生活に困っている先生も、似たようなことになります。 たいしたことのないことでも、問題であって、自分のところに通わなければ、解決しないように説明します。問題が解決していっても、いろんな問題を見つけては、それを解決するように迫…
家元制は、長くいることで免状が得られて、自分の生活を支える基盤ができているという点では、利点もあります。 かつて、徒弟制は、お金を受け取らず住み込ませて、生活の面倒も見て仕事を教えていく。できないようであれば追い出すし、弟子のほうも、それで…
それがスクールになって、広く解放され、いろんな才能が集まりやすくなりました。 さらにSNSになると、直接のアピールが、市場に届くので、これも新たな才能を出すにはよいシステムかもしれません。 昔のように、10年20年修行したから、というキャリアだけで…
しつけや教育などと同じで、こういうことを「教えてもらった」とか、「感謝します」などといわれるところで、それは、本当は大して優れているものではないわけです。 本物の力というのは、知らないうちに、自分の力で問題を片付けられるようにしているわけで…
本人が、「自分の力で片付けた」と思うからこそ、自信になり実力になるからです。 つまり、無意識に、道に落ちているゴミを黙って片付けている人のようなことです。 私もそういう人をめざしたいと思っていました。 頭を抱えていらっしゃって、話しているうち…
まじめな先生は、自分が時間をかけて努力をして得てきたので、その時間と努力を相手に課そうとします。それは正当な方法ですが、相手が自分と同じようなタイプでなければ通じません。また、そうであってもなかなか自立して進むところには至りません。 なぜな…
自分はうまいよ、できてるよ、だからそこを教えてあげる、というような、今のお手軽な風潮に関しては、人生を楽しむ趣味やよすがとして、あるいは生きがいとして大いに結構だと思います。それが、大半を占めるのではなくとも、本筋を極める人に多く出てほし…
うまい人やできたトレーナーに、歌を教わるなどということが、いかにつまらないかということがわかってくるとよいと思って、述べているのです。 自分を知ること、自分の可能性を伸ばすこと、人と違う自分を見つけること、こうしたことがとても大切なのです。…
人と少しでも違うところを大切に、見つけて育てていくこと、こんな当たり前のことが、なぜ表現力やオリジナリティが問われている分野で、多くの人がめざさないのかは、不思議です。 かつての養成所にはそういう空気がありましたが、今や仲良しサークル、全て…
発声のノウハウが、YouTubeなどで簡単に入手できるようになったのはとてもありがたいことです。しかし、レコードを擦り切れるほど聞いて学んでいた人たちよりも、質のよいトレーニングができているようにはみえません。 私が10年かかったようなことを、2、3…
テクニック的に覚えているものは、テクニック的に見えてしまう、それはテクニック的にコピーしたからです。 簡単に手に入るようなのはとてもよいことなのですが、かえって絞り込めず、広がるだけ広がって深みにならないことに気をつけなくてはなりません。
表現、個性がないなら、テクニックのあら探しをされたり、テクニックを褒められたりする程度です。それでは価値が生まれません。 だからこそ、テクニック的にを教えるトレーナーのサンプル歌唱にはぴったりなのです。 そうした境地をつかめるかどうかは、練…
よくあるのは、トレーナーが歌って、それを口移しのように真似させて覚えさせていくことです。これは早く効果が出ますし、うまくなったように見せるためにはよいことです。 しかし、見本をなぞっているだけなのです。そのときに何が学べているのかが大切なの…
常識にとらわれないことです。常識にとらわれ、それが正しいか、科学的かとか、そんなことばかり考え、本来持っている無限の可能性をつぶしていく人も少なくありません。年齢やキャリア、いろんな属性にこだわる人も、そこにはまっています。 今ここから始め…
生活習慣での差を埋めるだけで終わらないことです。 その先のことをめざさなければ、トレーニングというよりは、慣れていくということに過ぎません。 ほとんどのヴォイストレーニングは、そこをめざしています。それであれば、うまい人に追いつくのが、やっ…
トレーナーによっては、自分にできたことは、そのまま人に教えられる、ストレートにそういう感じになってしまう人も多いのです。 でも、教えた、できたと双方で思っていて、全くできていない例を山ほどみてきました。 つまり、できた程度を把握せず、できた…
たとえば、お笑いの場合、自分1人で野外で練習をしたりすることもできるかもしれません。そのことは大切ですが、舞台やメディアを通じて発信するのであれば、そういうところの反応がわかるような養成所や専門家に接していくとよいと思います。 歌手に師事す…
何が身につくのか、何が身についたのか、身についたらどうなったのかということがはっきりすることは、けっこう大切だと思います。ビフォーアフターです。 トレーナーの声を聞いてみて、トレーニングのアフターの声だ、プロの声だと、すぐにわかるくらいの力…
歌手になりたいと思って、歌手につくのもよいようですが、必ずしもそうではありません。トレーナーについても、そのトレーナーが歌手としての実績がないのであれば、それは歌手のトレーニングではないとなります。 ベテランの歌手だと、新人歌手に対して、い…
歌手の人は、「日頃の自分のトレーニングと同じことをしたら、自分と近いことができるのでは」というようなことで、教えています。そんなことでできるようになるのであれば、通った人全員がプロのヴォーカリストになっていることでしょう。 その歌手のファン…
主宰者よりも、実際にめんどうを見てくれるスタッフやトレーナーの対応が適切でベテランであることです。 少なくともトレーナーとしては、10年くらいのキャリアは欲しいところです。
ヴォイストレーニングは資格がないので、生徒でも優秀な人だったら半年も経たずにトレーナーになれるようなスクールなどもあります。 他のことで教える経験をつんだ人であれば1、2年もたたずにトレーナーをしている人もいます。 それを信用できないのかとい…
大切なのは、自分の症状や目的にきちんと合っているのか、そこへのプロセスが設定されるのかということです。 それをトレーナーが全てを決めるというよりは、あなた自身が決めていけるように、そうした材料や基準を与えてくれるかということです。