ミックスヴォイスの流行は、一時の現象と思っていたのですが、いろんな論文などでも取り扱われています。学会などで数人の異なる発声を全てミックスヴォイスと、同一に切ってみせる様もあり、驚いたことがあります。
共通点は、かすれた声(高音域での統一された共鳴でない)のようです。
もしかすると、声楽の発声だけを正しいと思う人が集まると、大体こうなるのでしょうか。
となると、統一されたものとそうでないものは、どこで分けるのでしょう。
それでは、結局、声楽の発声以外の全ての歌声は、ミックスヴォイスとなりましょう。
(ちなみに、声楽というと、第一声で、出したところから「間違い」と言われてしまうような歌唱の発声の基準も、その前に何があるのかに立ち返って考えることでしょう。声そのものに間違いなどは、ありません)。
裏声、地声は、発声の原理で声区(レジスター)として分けられます。その間の声を名付けるなら、これまでの「融合(ブレンド)」ということばで充分でしょう。
トレーニングとしては、どんな名称も方法もあってもよいと思います。しかし、これは、裏声と地声の音色の違いを目立たせなくする調整の区間、その移り変わりにあたる声なので、どれがよいとか正しいとかもなく、そこを目的とするものではないのです。
用語として使うにも、個人差の方が、はるかに大きいからです。
定義の異なるもの同士での議論は、不毛です。そんなところで時間のロスはしないでください。
用語を使いたいなら、自分なりに、あるいは、トレーナーとの“イメージ言語”として、どうぞ、と思います。