歌の世界では、自分の声を使って進行・展開や構成を音の線で表わしていきます。これを私は、絵画に例えて、これをデッサンといっています。いわば線を引く=フレージングのことです。そこに色=音色を加えます。
カンツォーネ、オールディズ、ラテンなどは、声で音のデッサンをどうしているかがわかりやすいため、発声・リズムグループも含めた、基本の教材として使っています。
唱歌、童謡は、呼吸と発声フレージング、日本語の勉強によいです。
演歌、歌謡曲は、日本人のデッサン情感表現のデッサンの研究によいでしょう。
声をそのまま大きく使って歌に展開していく段階では、あまりテクニックや効果のための装飾を入れず、ストレートに歌っているものの方が、材料にしやすいのです。私は音響効果が悪いため、生の声のわかりやすい1950~1970年あたりの作品をお勧めしています。