夢実現・目標達成のための考え方と心身声のトレーニング(旧:ヴォイストレーナーの選び方)

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に( 1本版は、https://infobvt.wordpress.com/ をご利用ください。)

アーティストの不在

 1960年代からアーティストを挙げていくと、70年代、80年代、90年代、2000年代、2010年代と、明らかに、歌の説得力として、声の力として、衰えています。これは、日本においての特殊な現象と思います。海外もビックスターは出なくなりましたが、それなりにレベルはキープしていて層も厚いです。

 カラオケの普及や指導法の改善、音響機器の発達で、平均レベルは上がっています。しかし、アーティストというなら、トップのレベルでみます。常に前の世代より上のものをつくってこそ、アーティストです。

 歌はファン、聞く人の目的、レベル、志向あってのものですから、戦後、苦難の時代に大スターは求められ、祭りあげられたのは言うまでもありません。

しかし、アーティストは、ファンを新しくつくるのです。歌の衰退は、業界に才能が集まらなくなったからです。番組や場がなくなったとか、客が集まらなくなった、CDが売れなくなった、歌手では稼げなくなったというのは、本末転倒です。

 私の仕事がなくなるとしたら、私の実力がなくなったからです。世の中が変わったとか、多くの優秀な人が出たからではありません。本人がやる気がなくなったとか、別のことをやりたくなったというケースは別ですが(日本の歌の衰退については前出「読むだけ…」のP194「これから歌手という職は成立するのか」に詳しい)。