私は、指導を複数のトレーナーを交えて行なうことにしました。単に私の手伝いでなく、私と分担したり、私抜きにして、どのようなプロセスでどう効果が出るのかを検証したかったからです。検証するには、自分一人で自己評価しているだけではダメです。
私のやり方を他の人にもやってもらったり、他の人のやり方でやってもらい比べてみます。
ヴォイトレを受けてもらうのでなく、他の人に同じやり方で指導してもらうことで、検証できます。ただ、ヴォイトレでは、同じことといっても、その人なりのやり方がいろいろと加わり、変じていくものです。おのずと、人を育てることにもなります。
正しい、間違いというのでなく、変じていく、応用されていくのです。改良するとどこかが否定されたり、落とされ、新しいものが加わっていくのですから、違うやり方のようにみえることもあります。
試行錯誤を繰り返してきて、私がいえることは、「たった一つの正しい方法がある」という考えを捨てることが大切だということです。
いろんな方法もあり、いろんな可能性もあり、いろんな人がいて、いろんな声もあり、いろんな唄もあるのです。
逆にいうと、「これが絶対だ、他のは間違っている」という人のは、正しくないということです。