トレーナーは声楽家が中心ですが、それは、共鳴の専門家として言語の元となる母音レベルで行なっているからです。ちなみに「音声」というのは、単に声でなく、何らか伝わるもののある声、つまり意味、感情を伝えるという使い方をしています。☆
体のメンテナンスが万人に共通するところが大きいように、声のメンテナンスとして、歌手にも、俳優、ビジネスマン、一般の人にも共通なところにヴォイトレをおいています。
歌唱指導には、声楽家がヴォイトレとしてはもっとも有利な位置にいると思います。歌唱の表現に近いのは、プロデューサー、作曲家、カラオケの先生、歌手出身のヴォイストレーナーかもしれません。それは歌い方や歌のための声の使い方で、声そのものを育てるヴォイトレ(これは私の狭義の定義にすぎません)とは異なるでしょう。
目的により使い分けたらよいことで、どちらの方法が正しいとか、間違っているということではありません。
スポーツも、監督とテクニカルコーチ、パーソナルトレーナー、マッサージ師、医者など、役割が分かれています。ヴォイストレーニングにも、同じように考えています。
ヴォイストレーナーの場合はいくつもを兼ねていることが多いし、相手によって対応が異なるので混乱しやすく、いい加減になっているのが現状です。それに対応するには独力でなく、各分野の専門家を組織するとよいでしょう。理想としては、あなたの伸ばしたい能力を分析して、それぞれにコーチをチームとしてつけるのです。