ヴォイストレーナーの選び方[アーカイブ版]

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に  バックナンバーは「夢実現・目的達成のための考え方と心身のトレーニング」をご覧ください http://bvt.txt-nifty.com/trainersen/

頭部共鳴オンリー主義の限界

 私は基本トレーニングのなかでは、あまり高いところまでは無理させませんが、頭部の共鳴はイメージさせています。頭部で響くのはよいのですが、響かせるようにするのは、あまりよくないのです。これは、多くの場合、くせ声です。

 このくせ声を誘導するトレーナーが多いようですが、楽にうまくなるものの、実のところ、音に届くだけで、音色も太さもほとんどコントロールできず、ハイレベルではあまり使えません。そこを安定→固定させることで、次の発展を阻害する要因になります。

 優れたトレーナー、特に声楽家の中には(テノールやソプラノに多い)そのくせをつけては取りながら、まっとうに発声を伸ばしていく技量をもつ人も、少数ですがいます(「レベルⅡ」参考)。

 年数を続けるうちに、自然に体、息が強化されて理想に近づいていく人もいます。恵まれた声質と感覚のある人で、日本でのテノール、ソプラノの成功者はおよそ、このタイプです(私の考え方に否定的な人も、このタイプに多いです)。

 しかし、彼らの方法というより目的とするイメージでは、現実に世界では第一線で通じていないということで、私は3つほど仮説を立てています。1.メタリックな輝く頭声、2.深い息と体の支え、3.芯のある胸声、これらの欠如について、です。

 体―息―声の細い結びつきを、キープしているうちに、声に共鳴が加わってきます。発声して共鳴するより、共鳴が発声を正していくイメージです。☆

プロセスは私と同じですが、私は、声―息―体と基本に逆のぼるのに対し、彼らは、声―共鳴を中心にしていたのにすぎないことが多いです。

 いろんなやり方があってよいと思います。例えば頭声→胸声も胸声→頭声も、この順もどちらがよいと決める必要はありません。

 日本の声楽の教育を批判しているつもりはありません。海外からの受け売りで、メニュや方法は海外のと同じです。ただ、それを使う人のもっている条件(器、体、言語、日常)という前提が違っているのです。一言でいうと小中学生の合唱団に、40代の大人のレッスンをやらせているようなものです。日本には前者しかいない、それも頭声だけですべてやろうとするような人が多いから、結果として次の要素が最後まで欠けているのです。声楽だけでなく、ポップスにもそのまま言えることです。

太さ、深さ、インパクト、強さ、大きさ、パワー、タフネス

感情表現、日常性、ダイナミズム、ドラマツルギー、個性

 最初から2オクターブの歌唱を目指すか、まずは1音での完成度を目指すかということです。