この研究所は、ロック、ポピュラーの声づくりから始まりました。その後、声優、役者などの声づくりに拡がりました。欧米のメソッドを参考にしつつ、声に関しては、日本の役者の声づくりを応用したといえます。
次に、音楽(洋楽)スタイルを目指す歌手に補強として、最初はカンツォーネ、ナポリターナ、次にシャンソン、ラテン、ファドを使いました。前者は、声質、声量、声域、共鳴、後者は、ことば、せりふを中心に日本語と外国語の問題の対応に役立ててきたのです。噺家、お笑い芸人、邦楽家とのトレーニングを経て、一般の人やビジネスマンと接して、一般化していくことになったわけです。
ここには、8つの音大出身のトレーナーがいますが、そこまでに音楽大学(声楽)以外に、ミュージカル(宝塚、劇団四季、東宝系)、ポップス、ゴスペル、ジャズ、コーラス(合唱、カラオケ)関係者、プロデューサーや演出家(日本、韓国ほか)、いろんな専門家やトレーナーと接してきました。今に至るまでに、プロも、噺家、声優、朗読家、役者、ものまね芸人、民謡歌手、長唄、詩吟の師匠など、まさに声と歌唱について、研究所はさまざまな世界と接してきたのです。