自分の表現のイメージを描き、体や呼吸を鍛え、音楽を叩き込み、内面から変わるのを待つのです。ヴォイトレのすべてはそのためのきっかけにすぎません。
方法やメニュというなら、私は千も一万ももっています。どれがよいというものではありません。相手を知らずに、これは絶対に誰でも通用するよい方法などといえるものはないのです。
できないことができるようになるためには、そのギャップについて、考え、自分でメニュをつくるとよいでしょう。もっとよいのは、他の一つ上のことをやっているうちに、自然とできてくるのを待つことです。そういうトレーナーを求めましょう。そして自分の心のなかに音楽を宿し熟成させることを見つめることも大切なことです。
入っていないものは出てこないのです。気づかないものに気づく、足らないものは補う、入っていないものは入れる、すぐにできる方がおかしいでしょう。発声のテクニックなどは捨てましょう。
それは大体は無理にやって、できたと基準を甘くしているだけです。
できたのでなく、ごまかしてこなしたのです。解決したのでなく、問題に気づく機会を見逃したのです。だから、トレーナーが必要なのです。