低音と高音とは、ギアの切りかえのように考えてみるとよいといわれます。ローのギアでは、速く走れません。これは、胸声と頭声というひびく感覚の違いのところでも起きます。ただ、初心者の場合は、どちらも、ギアがきちんとはまっていないことが多いので、本来は、低声、中声、高声、どこでももっとも理想的に出せているところで、発声の基本となるフォームをつくってから応用していくとよいでしょう。
もっとも、のどに負担がかかっていない声をみつけることも、わからなければ、低い声、高い声のどちらが得意な方からやりましょう。それもわからなければ、いつもの声が他の人よりも高いか低いかで決めてもよいし、思いっきり低くして出せるのなら、そこから始めるとよいでしょう。ここは大切なので、トレーナーにつくことをお勧めします。
あとは、低音を主にしてから高音を伸ばす、次にその逆をすることです。目的が声域を拡げることか、声質、発声をよくするかによっても異なります。とはいえ、低い声ばかり使うと、低く出しやすくなり、高く出しにくくなるし、高い声ばかり使うと、その逆になります。
要は、その高低のレンジの移行を繰り返し、声質、発声がよくなり、声域も拡がっていくことが重要なのです。その判断は、結構難しいといえます。
これをギアの使い方で覚えるか、オートチェンジのように一つのギアでやれるようにするかもそれぞれに違います。一般的には、どちらもできるようになれたらよいのです