夢実現・目標達成のための考え方と心身声のトレーニング(旧:ヴォイストレーナーの選び方)

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に( 1本版は、https://infobvt.wordpress.com/ をご利用ください。)

手段と目的

基準のレベルの差を知ることが、ヴォイトレの第一歩です。「それができていない」のを知るために、声域や声量などの限界をチェックしてみるというならよいのです。しかし、それが目的になっていませんか。

 今や「○オクターブ以上、○日で出せるようになる」というようなマニュアルに惹かれる人も多くなりました。ということは、真の目的さえ、まともに立てられないという人が多いということです。

 そのような副次的な目的をメインにおくと、一見わかりやすいようです。しかし、基礎は身につかないのです。応用の応用をやっても基礎は固まるどころか、ひどくなるのです。今、通用していない1~2オクターブが3~4オクターブになったからといって、何がよくなるのでしょうか。歌は1オクターブ半もあれば充分です。

 

 副次的な目的とは、「そうなっても大して役立たないが、身についたときには、それに伴って得られるものがある」ことです。ある分には、ないよりもよいが、それを得る努力に見合う目的にはならないことです。確かに「3オクターブも出る」ならば、どんな歌も調を変えずに歌えるでしょう。でも歌はそこで競うものではありません。声域の伸びに伴って発声もよくなっているならよいのですが、逆になったら意味ないでしょう。

 問題は、そういうキャッチに惹かれる人は、声域がないから歌えないと思っている人だということです。声質や発声もよくない。声域ばかりを目的にやっている人もいます。そこから脱しないと悪化させてしまうということです。その問題から一時離れることがもっともよいことなのに、同じところに惹かれてしまうのが、大問題です。