専門家とは、わからないことがあること、わからないことについてはわからないとはっきり言える人です。これが今や、「何でも努力すればできる」などと、いらした人を説得する傾向の強い人ばかりです。本人さえもできていないことや努力していないことも勧めていることが多いのです。
トレーニングは誰でも始められ、やることはできます。それを人に問うことになると、可能性よりも、限界が突きつけられます。本当の壁を破ったり超えたり、見極めて方向を変えたりするために、トレーナーやメンターを使うのです。自分にとってどうなのかは、最終的に自分で判断するしかないからです。
それでも、多くの人は、好き嫌いや一時の他人の評判や権威に価値をおいてしまうものです。その眼をくもらせないためにレッスンがあります。しかし、その眼をくもらせてしまうレッスンのほうが多いのは、甚だ問題です。
観る眼を求めている人が少ないというのは、よく感じます。人間的、性格的に好きなトレーナーといたいというのが本音というケースもよくあります。眼力をつけるために他に学びにいくのです。
あなたの才能の発掘と、それを活かす学び方を身につけていくのが、レッスンだとしたら、楽しいことばかりではありません。己を知り、限界を知り、そこから可能性を、努力で得ていくのです。目的は目先でなく、一歩も二歩も先にあるのです。