海外では、街やホテル、店で気軽に触れられる音楽や歌が、日本、特に東京では特殊な場でしか聞けません。TVでも、歌番組は少ししかなくなってしまいました。
世界的にみると、歌や声は、一時の勢いは失いましたが、日本ほど顕著ではありません。このあたりは戦後、いや、明治維新以後の日本の欧米化の問題との絡みが大きいと思います。憧れて取り込んだあと、発展させるか。切り捨ててしまうかということです。歌や声について、日本人は発展させてこなかったと思うのです。
私は、2つの原因をあげたいと思います。音楽、特に歌以上に、手軽で面白いものが登場したこと、音楽、特に歌のレベルの劣化(特に声の力)です。音質は向上していますので、ハード面ではなく、ソフトについてのことです。
一人のアーティストとしての人間の力と、作品のレベル、創造力や発想といえばよいのでしょうか、それが衰えているのです。これは、発展途上の国と、発展を終えた国の人材の可能性のようなものでしょうか。日本には大物も大スターもいません。時代の流れの問題でもあります。