昭和のころまでは、歌も世界を目指し、欧米とも張り合おうとしていました。二番煎じに甘んじつつも日本人のオリジナリティ対して、探求もされました。ただ、結果からみると、声でなく作曲、アレンジ、演奏、ステージ技術での発展が顕著でした。
世界的にもビジュアル化へしていきました。そのためにクールジャパンとして日本は肯定され、高める必要も失ったのです。
「私たちからみて、今の若者のだらしない会話の声や発声が、そのまま使われているカラオケやJ-POPSが、ポップスとしては、日本人らしくてよい」と私が言っていたのは1995年頃でした。
日本人のもつ特性について掘り下げて考えるとよいと思います。私は、その頃、歌に表現力が感じられないから、モノトークとしてせりふでの表現力に戻してレッスンに入れました。今はせりふの表現力でさえ取り出せないレベルになりました。声を支えるフィジカルやメンタルが、弱化し続けているのです。メンタルについて問題と私の考えは「メンタルはフィジカルから鍛える」で触れました。[fukugen 2012/10/01]