私の答えは、いつもとてもシンプルです。複雑で、難しくなるとしたら、おかしいと疑いましょう。それは、歌や表現を声の中でなんとかしようなどと考えるからです。
あなたの表現へのこだわりを徹底して深め、声に込めるのに努めましょう。できたら、詩や音楽の神様の導きの元に・・・。
心と体、呼吸と声は、大きく結びついてきます。そのために学ぶのです。
マニュアルは所詮、マニュアルです。トレーナーに教えられたり、直されたりしてしまうような歌や声が、世の中に通用するわけがありません。誰もトレーナーやプロデューサーの出した答えを、あなたに再提出してもらいたいのではない。そんな安易な方法(論)やマニュアルや技術で得たようなものは、それが前面に出てしまうだけ、よくないのです。トレーニングのプロセスとしてのみ是とされることもあるのです。
それは、“声らしいもの”“歌らしいもの”ではあっても、決して真の“声”“歌”ではありません。
あなたは、あなたの答えを出さなくてはいけません。他人のように歌うのでなく、あなたの歌を歌う、いいえ、あなた自身を歌ってください。「発声からでなく、声の使い道から考えること」です。つまり、目的から考えることです。ヴォイストレーニングは、その補強に最低限、必要であると位置づけるべきなのです。