トレーニングの目的や位置づけとも関係しますので、まとめてみます。
そのアーティストの声と歌い方、さらにあなたの声と歌い方の相違によってもかなり可能性は違います。日本人もひとくくりにはできないのですが、一般的には、根本的に入っていないことや育ちのなかで入り方が足らないことは、「慣れ」という、もっとも時間のかかることなので、いかんともしがたいところはあります。つまり、“その母語で幼少期に育たなければ語学のネイティブになれない”というレベルでみると、習得の時期と長さ(1万~3万時間以上)の差という前提があります。
「外国人のような歌い方」というのも、そのアーティストが誰であれ、あいまいにならざるをえません。声がまったく同じ人もいないし、歌い方も全く同じ人はいないので、100%同じことは、難しいというのが一方の極での問題です。声についてを、素材の段階で考えると、まず全く同じ楽器かどうか、バイオリンなら難しくても電子ピアノのなら、100%に限りなく近づけるでしょう。もちろん、同じバイオリンでも一弦と二弦では違います。
歌い方というのですから、バイオリンとビオラのように音色が違っても、奏法やフレーズに共通のものを見いだせるかとなると、“どの程度”にということになります。
弦楽器と鍵盤楽器、吹奏楽器ではどうでしょうか。タッチやニュアンスは、かなり違います。同種の方が似させられます。しかし、これをクラシック、ジャズ、ロックなどに分けてみると、楽器の音や奏法よりも、ジャンルの方に、似ているという共通点を感じることができるでしょう。