日本人の喉と声の可能性を、私は、英語の発音の専門家と本を書くほど比較して考えてきました。日本人の背の低さやモンゴロイド系の平坦な顔が、欧米人に引けをとって同じようにできないと言う人もいました。体格に差がありますが、国際的に活躍している欧米以外の多くの人をみると、これらはもう条件とはならないと思います。
むしろ、近頃の日本人のダイエット好き、小顔で、首もひょろりとして、体力、精神力(ハングリー精神)も衰えていっている方が気になります。声は心身のタフさが支えるものだからです。
心身の問題は、大きくなった日本人に、大きな弱点として突き付けられているように思うのです。表現からの必要性も、声そのものとして向かなくなっているようです。プロとお客、アーティストと一般と、両面とも必要を感じなくなっているということです。その2つは声が弱化する大きな要因なりつつあります。