ヴォーカルスクールやカラオケ教室は、私からみると、普通に歌える人が少しうまくなると成功といえるところです。本人がとてもうまくなりたいと思っても、根本的にはさして変わらず、短期で少しうまくなって終わるところです。
それはうまいということが、聞く人に価値を与えることと異なることを把握しないままに、へたでなくしているからです。本人の実力の限界にぶちあてるということを避けているのです。
表現とはいうものの、大半のヴォイトレもまた、そのレベルで行われています。ですから、まだ本当の問題に切り込んでいないのです。
批判しているのではありません。本人に必要がなければ、こういうのは問題として上がってこないからです。
街のフィットネスジムでは心身の健康づくりができていたら充分です。病状の重い人やオリンピックを目指す人は行きません。
ヴォイトレとして、心身や身体だけに入り込んでいくのも一つの方向です。そこで応用(歌など)に対しては触れずに行っているものも増えてきました。
最近のヴォイトレは、私からみるとリラックス、ストレス解消レベルで声が出るというものが多いのです。その効果はまさにフィットネスジムに行った後の声の変化と同じくらいです。
昔からやっていたところでは、なかなか体=声=心をしっかりと捉えて本質的な変化を出しているところもあったのですが、少なくなりました。