夢実現・目標達成のための考え方と心身声のトレーニング(旧:ヴォイストレーナーの選び方)

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に  バックナンバーは「夢実現・目的達成のための考え方と心身声のトレーニング」をご覧ください http://bvt.txt-nifty.com/trainersen/

“イメージ言語”と呼吸法(2) 支え☆

例としては、長くなりますが、せっかくの機会なので呼吸(法)について詳述します。

 

呼吸とお腹の動きの関係は、よく問われますが、厳密には説明しにくいものです。

腹式呼吸は、お腹がへこんで息=声が出るというように考えられています。しかし、声楽や邦楽などでは、「息を吐いてもへこませない」とか、「押し出す」「張る」というのが、教え方としてよく使われています。

(逆腹式とか丹田、逆丹田なども、言う人によっても違うので、ここでは用語にこだわらないで進めます)。

 

まず、息の支えとお腹の横を張って固定することは、混同されやすいのです。固定すると、喉頭が下がりやすくなり、発声上、効果的に見えるので、よくセットで使われますが、別のことです。「横隔膜」などのことばを使いだすと、さらにややこしくなります。「横隔膜を広げる」というのも、イメージ言語です。

 

「横隔膜を使う呼吸」などと言うより「腹から声を出す」の方が直観的に本質を把握しやすいでしょう。それが、科学的、生理的に誤りを訂正された今の教え方が、昔のすぐれた人の教え方より大きな結果を出せなくなっている理由の一つです。

主に、生理学的用語と科学的説明で、正しいと思った知識は、イメージ言語よりもはるかに効果を歪ませてしまうことが多いのです。☆

 

息を吸い過ぎたり吐き過ぎたりすると、よい発声ができないのは確かです。しかし、結論からいうと、トレーニングですから、その結果、「いつ、どう変わったか」で問うしかないのです。「どこが」が入ると、かなりあいまいになります。「変わる」というのではなく、「しぜんに吸収され、ものになった、身についた」という方がふさわしいでしょう。

 

どのトレーニングをどう組み合わせても、そのときのお腹がどうであれ、発声や歌唱時は、お腹は柔らかいし、喉もしなやかで自由に最も有利に動いていればよいのです。

そのときに、お腹は止まっているか動いているか、外見的にはさまざまでしょう。膨らんだり引っ込んだりも、ある幅で行われているはずです。表現によっても大きく変わるでしょう。

 

人間の表現行為、まして、肉体芸術においては、日常以上に集約され、過度に動くのです。それが、しぜんにみえるよう、ふしぜんなものでないようにこなされていて、自由といえるのです。(喉声も同じで、表現を優先するなら、決して否定されるものではありません。)

 

 それでも、「どうしても説明を」と言う人もいます。そこで、私は、「自分の通常より呼気時に少し胴回りが膨れ、その膨れた幅○㎝分くらいへこむ動き、つまり、通常±○㎝が目安など」と余計な説明をしています。これを囚われぬ程度に参考にしてください。

 

本当に上達するためには、寝転んでしぜんとそうなる腹式呼吸くらいでは、発声のコントロールなどに足りるわけがありません。そこに備えて、ヴォイトレで体づくり、息づくり、ブレスのトレーニングなどを行う意味があるのです。

 

たとえば、バスケットボールでの指導では、「膝でシュートしろ」とか、野球やマラソンで「腰で打て」とか「腕の力を抜け」とか、いくつもの“イメージ言語”があります。こうした中での脱力の指示は、力をつけるトレーニングではなく、力を発揮するプレーのためのものです。力をつけるトレーニングは、別に行うのです。

 

「今日のトレーニングの結果が今日、明日に出るようなものは、トレーニングではなく、調整にすぎません」ですから、それを続けても大きくは変わりません。

この時間差をどうみるのかがトレーナーの手腕です(トレーニングとは、今は役立たないし、一時、逆効果にもなりかねないことを将来のために、あえて行うことです)。