呼吸法は、レッスンでも常に問題になっています。私は日常で行っている自然な発声を強化することと思います。
横隔膜呼吸法とか、腹式呼吸法とか、胸式呼吸法があるわけではないのです。声と呼吸に高い必要性を予見したら、毎日のなかで自然と鍛えられていくのが理想のことと思うのです。
呼吸法を教わるというより、「今の呼吸では足りない」とわかることです。具体的には、そういう高度のせりふや歌の課題を与え、不足に気づかせるのが、本当のやり方です。
ヴォイトレとなると、姿勢、呼吸、発声と区分けされ、呼吸法が第一にやる基礎のようになってしまいました。私はそういう本の著者ですが、レッスンでの呼吸はウォーミングアップです。身体=声の稼働のためのエンジンをふかすようなイメージです。
歌を教えるには、ウォーミングアップを発声のスケール、ヴォーカリーズで応用してもよいでしょう。呼吸をトレーニングしなくても発声をゆっくり丁寧に行うと呼吸の足らなさ、コントロールの甘さ、ロングブレスのもたないことなどで、わかります。より実践的です。ていねいに行うようにします。
私は、ドックスブレスやロングブレスは、呼吸筋などの鍛錬を通した体作り、声を出せる体づくりとして、有効だと思います。