夢実現・目標達成のための考え方と心身声のトレーニング(旧:ヴォイストレーナーの選び方)

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に( 1本版は、https://infobvt.wordpress.com/ をご利用ください。)

“イメージ言語”と呼吸法(1)イメージ言語☆

指導で使われる用語は、イメージ言語として説明しています。トレーニングの効果を出すために使うのですから、トレーニングを行う上でのインデックスとして、トレーナーとクライアントの認識が一致していたら、どんなことば、用語もパーソナルなレッスンでは問題ありません。

 

ただトレーナー自身がイメージと実際のことの違いをわかっていないケースも多いようです(トレーナーが使っている“イメージ言語”を生理学的、科学的にみて「間違っている」「使うな」「正せ」と言うのは浅はかなことです)。

私も、さまざまなイメージ言語を使っています。

 

たとえば、「胸式呼吸はだめで、腹式呼吸で」というのは、初心者の肩や胸の上が動いていることと喉頭の安定を欠くことで呼吸のコントロールがしにくいからです。しかし、胸式呼吸は、腹式呼吸と切り離せません。胸の下部は、柔軟に動いているものです。

横隔膜は、お腹の底でなく、前部はかなり上にあります(胸骨5、6番)。それを丹田のあたりに考えるのは、おかしなことです。しかし、「お腹から声を出して」とか「丹田を意識して…」と言って、相手の状況がよくなるのなら、“イメージ言語”として使っても何の問題はないでしょう。

 

 「胸を上げる」より「胸を下げない」、「背中を広げる」とするなど、ことばのイメージ一つで、結果も大きく違ってきます。だからこそ、ことばの使い方は、とても大切なのです。イメージをうまく与えて正されるような使い方ということです。

 

 トレーニングは、意識的に行うので動きやすいところ、みえやすいところが使われやすく、それ以外のチェックや動きがおろそかになりがちです。だからこそ、全体に注意を向けることが大切です。(でも、それは元となるところがあたりまえに機能していたらということで、それを怠ってしまうケースも増えています。)

 

「お腹より横や後ろに入れる」というのも、前腹は動きやすいからです。ですから、背筋中心に、広背筋、外股斜筋、内股斜筋などの強化が必要です。前の方のお腹を固めてはなりません。

私が「深い息」というのは、出す息のことですが、そのために瞬時に深く吸えるように鍛えておくのは、できるだけ体の底に入れるためです。それは、吸えるだけ吸うのとは、似ているようで全く違います。