欧米には優れたトレーナーがいます。しかし日本人がそれについていけるかということになると、別です。コミュニケーション重点がおかれ、きちんとしたレッスンが成り立っていないのが、ほとんどの現状です。私も、これまで何人かのすぐれた外国人にトレーニングを受け、海外の、日本人の通っている学校も見てきました。研究所でもトレーナーとして何人かの外国人も使ってきました。
確かに個人として能力はあります。声もよいし、歌もうまいし、教える能力もあります。
しかし、自立していない日本人には彼らを使い切るために、多くの問題がそれ以前にあるのです。何かうまく歌える人といたら、うまくなりそうという雰囲気に甘んじてしまうことが多いのです。すでにプロの人や十代の人には、一つの経験としてよいかもしれません。
日本教育では、他の国に比べて、音声表現に対する耳、発声器官のコントロール能力がついていかないのです。そこを見ずに始めると、多くの場合、うわべは上達したようにみえても、不毛です。彼らのすぐれた才能も本当には生かせません。