フレーズのつくり方をギターのフレーズナビ集のようにつくったことがあります。シャウトやアドリブを中心にしました。スキャットについて、数多くの基本パターンをマスターしておくと応用がきくと思ったのです。
歌唱に近いとわかりやすいのですが、うまくつくると、マイケル・ジャクソンの歌をコピーするようになって、日本の歌のステージでよくみられることです。却ってよくありません。発声上も応用をやるより、基礎をやるべきです。まねするべきでないということでは、ここでゴスペルなどをやめたのと似ています。
音楽やダンスを日常のなかで自然と楽しみ身につけてきていない、日本人に対して、それを体得してきた外国人などは、「まずは音楽を楽しみ、感じることから始めましょう」となります。それは当然のことで、正しいと思います。パフォーマンスを楽しむにも、日本人には覚悟がいるのですね。皆と一緒にスタートするのは、とてもよいのですが、個人としての能力がないと、教えてくれるトレーナーがいただけで、少しも前に進まないのです。
自分が楽しむのと、人が楽しむものを自分が出すのは違います。日本では彼らが言うのと同じように、「自分が楽しんでいないと、見てもいる人楽しくならない」というのが、「自分が楽しめばみている人も楽しくなる」となってしまったように思えるのです。