本格的なオーケストラの指揮者はやったことはありませんが、似たことはやってきました。メトロノームで♪=60,80などの基本テンポを覚え、ドレミレドとピアノを弾くのにドーミとミードを数コンマいくつまで一致させようとしたりしてきました。何人もの世界の第一線で活躍する優秀な指揮者が出るのですから、日本人の耳は捨てたものではないと思います。
私たちが苦手なハーモニー、瞬時のそのときの全ての音を把握する空間的な能力と、曲全体を総括して捉え、構成と進行展開を論理的に捉える時間的な能力です。
私は歌に接して10年も経って、みえたのです。
それは、中学のバスケットボール部を退いてから、高校のクラス対抗のときに全体図、つまり10人の構成と次の展開がみえたのと同じような「アハ!体験」でした。これは、中学生の頃、TVでワールドカップ大会のサッカーをみて、高校でラグビー、アメフトをみて、大学でアイスホッケーをみて、ゲームの醍醐味がフォーメーションであることに気づいたことと似ています。