発声から歌唱を車の運転と思ってやりましょう。プロでも日本では、急アクセス発進、急ハンドリング(ステア)、そして急ブレーキです。これでは音楽的に心地よくありませんね。
ちょっとした踏み込み、キーピング、終止の仕方で、歌は天地のように変わるのです。ドライビングテクニックでいうなら、車体感覚と運転感覚をもつことです。自らの体に置き換えて、ていねいに体を扱うことです。愛や恋を表現するのですから、当然のことでしょう。
ていねいにていねいに、でも、そこから始めるのはよくありません。ハンドルやフロントガラスに目を近付けた危険な運転のようになります。
ですから、教習所でも姿勢から教えます。そのための姿勢保持、筋肉、集中力がいるのです。とはいえ、レーサーと通勤のドライバーでは、求められるレベルが違います。
そういえば、私はよく「レーサーになるのに、ずっと教習所に習いに行っても何にもならない」と言っていました。求めるレベルは高い方がよいのですが、運転は実用に応じたレベルの習得でよいので、そこは大きく違います。