ヴォイトレでなくとも、決まった時間、しっかりと声を出すことを3~5年もやれば、個人差はありますが、声は変わっていきます。よい方に変わったら、そこで行ったことが、まさにヴォイトレなのです。
ところが、巷でヴォイトレを行っている人は多いのに、こうした声の素振りで基礎を固め、判断力をつけることと声そのものを実践の結果にまで結びつけられている人は、とても少ないです。
それは、ヴォイトレといいつつも、ほとんど「準備体操としての発声」と「正しく歌いこなすための歌唱(リズム、メロディ、歌詞)」しかしていないからです。
緊張する人のためのメントレであったり、発声に至る状態の調整=応用練習がほとんどだからです。声そのものを見ずに、声そのものの可能性をトレーニングしていないのなら、声の力が伸びないのはあたりまえです。
プロやトレーナーのものまねでは、外側ばかりを固め、くせがついて、可能性が閉ざされてしまいます。その結果、難しいメニュは、こなせるようになっていくのに、シンプルに声を大きく出すことは、いつまでもできない人がたくさんいるのです。
自己満足したり行き詰まったりして上達が止まるのは、
「現状への厳しい判断」
「次の目標設定」
「そのギャップを克服する方法」
が決められなくなるからです。
でも、周りに認められることでよければそれでよいでしょう。
それ以上を求めるようになったら、そこから、よきアドバイザーにつけばよいのです。つまり、それらを明示してくれる人にいうことです。