医者(音声クリニックなど)から、紹介されてくる人に多いパターンで、器質的な障害がなく、機能性発声障害といわれるケースなどに多いのですが、いわゆる「発声法が悪い」「腹式呼吸ができていない」などと言われて、いらっしゃいます。
ただ、「あまり声を出していない日常では、声が出るようにはならない」というあたりまえのことが原因であることが大半です。
「一日1000歩しか歩いていない人が、10階まで階段を上がったら、足が痛くなった。だから、その上り方が間違っていると思いますか」と尋ねることがあります。
声の問題は、今だけでなく、過去からの積み重ねです。
この場合、少しずつ声量を増やしていけば、そこそこにはクリアできるでしょう。
声域とかピッチ、リズム、発音以前の問題なのです。
リハビリもまた、まさにその類です。
(ですから昔、部活などで大声を出し、喉を荒らして歌えなくなったなどという人が、ヴォイトレでプロやトレーナーになったからといって、そのヴォイトレは、元より声の弱い人や声をほとんど使ってこなかった人には、通じにくいわけです。)