トレーニングとは、器を大きくするために行うもの、地力をつけるものです。問題があってそれをできるようになりたいと思います。問題は何でもよいわけです。大体は、それをうまくいかなくしている別の問題が隠れています。それらが矛盾して問題が露わになると、そのことに関して、解決へのスタンスがとれます。
声を、ことばで使ってきたが歌で使ってこなかった人は、高い声が出ないです。高い声を使ってきていないからです。歌の特徴は、話すよりも高い声域を使うことだからです。
昔は、第一の問題は、およそ大きな声が出ないことだったのです。日本では、かなり早くから声域と優先順が入れ替わりました。ヴォイトレがそうしてしまったともいえます。ポップスでは、声量はマイクが補助できるからです。
研究所には、マイクを使わない声の仕事の人がたくさんいらっしゃいます。☆
これは、ヴォイトレをマイク前提で行うところが多いということの裏返しです。歌唱の声中心に即効果を目指すからです。
高い声を出してきていない人には出させたらよいのです。レッスンにくるのは、うまく出せない、出し方がわからないという人です。
しばらくは、高い声を例にしますが、この解決法をここで述べたいのではありません。ほとんどは自己流で出して、うまく修正できないというケースなのです。その場合、いくつかのポイントを与えて高い声を導くことになります。しかし、ここで大切なのは、うまく出せない、では、うまく出せるとはどういうことかということです。