集団指導のメリットの一つとして、他の生徒を見て、まねを見抜く目をつけられることがあります。ただし、厳しい環境下で同じメンバーと4、5年は続ける環境がいります。自分の声に対する判断が、このように難しいことを知れば、トレーナーは必要欠かすべかざる存在です。
すぐれたトレーナーの判断力を学ぶことで、自分についてもかなりの精度で客観視できるようになります。その判断力を求めにいくのが、レッスンなのです。
もちろん、初心者は、トレーナーの発声がヒントになるし、真似から入るのはやむをえないと思います。実践的で実感できるレッスンを求めているうちは、本質がみえないからです。
一人のトレーナーの見方が全ての基準ではありません。それは一つの見方として見ておけばよいのです。多くの人は一つの見方さえもっていません。自分自身の見方をつくるために、あるトレーナーの判断を一つの叩き台にすればよいのです。トレーナーをもっとも厳しい客として想定するのです。つまり、そのトレーナーに認められたら、世界に通じるくらいの厳しい基準を共有していくことが大切なのです。