似させることはどんなものであれ、ある程度はできるのです。まして、基礎的なヴォイストレーニングをしっかりやれば、今よりも柔軟に応用性が増すのですから当然です。しかし、それがどの程度かは、ことばで答えても、何ら意味がありません。ものまねのようにくせをデフォルメしてみないと似ていることがわかりにくいという聞き手もいるでしょう。ここにはものまねでないことを求めていらっしゃるからなおさら、その人の声、声の育ち、音楽性や歌唱レベル、すべてをみても、その歌い方ができているかどうかは、問えることではありません。
ポピュラーからは全員がかなり似ているようにみえるクラシック歌手でも、個々にかなり異なっています。パヴァロッティみたいな歌い方をできるかというと、一流の人でも「できるけど、できない」というでしょう。まして、一流でもないレベルにおいて問うことは、意味はないとしか言いようがないのです。
もし、その歌い方が人生をかけるすべてであれば、こんな回答がどうであれ、その人の声や歌い方がその人の能力の限度まで、それに近づいていくでしょう。また、そのようにトレーニングを利用し、そのような方向へ成果が出ていくでしょう。