思うに、80年代くらいを境に、ヴォーカルの条件が、音色、声量から声域に、ハイトーンへ変わりました。役者も声量が条件でなくなる、というか声の力でなくなってきたのでしょう。オペラも含めての、ビジュアルの時代の到来、シネマからTVの時代です。日本はそれが顕著でした。
「どこの国のアイドルも歌手なら歌唱力はあるのに、日本は」など言っていたのも懐かしいくらいになりました。
世界を回ってレコードやテープを買うときは、「イケメンや美人、可愛い子を避ける」のが、私の原則でした。ときにニ物を持っている歌手もいますが、ブサイクな人ほど歌唱力が上なのは、どこでも同じです。デブ、ふくよかな人がお勧めです。
私がこの世界に入って最大の転機は、すごい美人の歌手がいくらうまく歌っても、全体重、いや全存在をかけたブサイクが出て、すごい一声を発すると、きれいとかうまいとかいった程度のものは、すべてが飛んでしまうということでした。ひどい悪口のように聞こえるかもしれませんが。