私は、声の分野では、最も多くのレッスンを言語化してきました。自らのレッスンだけでなく、他人のレッスンをも記録してきました。それ以上に、多くの人に、ことばにしてもらったのを記録し、比較、検証してきたのです。
生徒はもとよりトレーナーやゲストについても、ほとんどを文章で残してもらってきました。自分のレクチャー、レッスンと同じです。それが単なるレッスン場でなく研究所であるゆえんです。
本を書くにも、レクチャーをするにも、そこで出せる具体例は、自分の理論や方法を肯定できるデータです。それは、賛成者の意見を聞いて並べるのに等しいのです。
「科学的に」と言うのなら、自分の理論に当てはまらないケースを集めて、一つひとつ反証していかなくてはならないのです。
これはレッスンでも当てはまります。私が他のトレーナーと共にレッスンを分担しているのは、私のレッスンに当てはまりにくい人に当てはまりやすいレッスンのできるトレーナーが、他に必ずいるからです。トレーナー、もしくはトレーニング(方法、メニュ)です。この「当てはまる」とは甚だあいまいなものです。