トレーナーは、現場では歌手や役者の身を(喉を)守らなくてはなりません。
現場の指揮者には、さまざまなスタンスがあると思いますが、作品の評価をよくすることが第一で、表現中心です。それに耐えられない人には、過度の期待と負担をかけることになります。
すると、どうなるのでしょうか。スポーツのアスリートのように明確な基準のある場合、単純です。
男子100m走レースでは、世界は9秒の壁、日本は10秒の壁に挑んでいます。ときに日本人選手がいいところまでいきますが、アスリートの世界ではNO.1、金メダルを目指しているので、日本人の選手より速くても金がとれないから、他の種目に出る選手もいます。8位に入ったから世界で8番目ということにはなりません。
音楽のプレイヤーもけっこう明確な基準があります。ルックス、スタイル、MCでなく、演奏、音で全て判断されます。高度に演奏する技術なしにプロになれません。
しかし、歌やせりふの声は、総合力の要素の一つです。となると、一流を目指すよりもその表現力よりも、確実に外さない安定、安心が第一の目標になってしまうのです。