歌い手も、加齢によって共に声量や技術も衰えます。スポーツにも似た限界としての引退があります。その是非を問うても仕方ないでしょう。復帰した人も多いし、それぞれの人生観です。
スポーツでも40代の現役の選手は珍しくなくなりました。種目にもよるでしょうが、それだけ体の管理や技術を支えるツールの発達などがあったのです。しかし、何よりも思い込みからの脱却が一番なのです。ここでも精神が体を超えるといえます。
となると、体よりも精神を鍛えなくてはならないとなるのですが、体力なしにメンタルを強化するのは難しいものです。体の方がシンプルなので、そこから入るのが一般的です。
精神修行として歌ったり読みあげるのは、あまりに日本的です。
ストレス解消やリラックスのために声を出すというのは、健康な使い方でしょう。使い方というと、カラオケも声の使い方です。しかし、声そのものは、使い方ではどうにもならないものとして分けてみると、案外と精神そのもののリアルな形が声にみえてきます。
気分で表情も声も変わるでしょう。声のコントロールは感情のコントロールです。それは呼吸のコントロールによることは説明がいらないでしょう。ですから、人の説得にも、実際に会って声をかけるようにしているということです。