声には正誤がないという例として顔と同じと述べています。流行や、なんとなく時代や地域でよしあしはあっても、一人ひとりの声や顔に間違いはありません。顔もDNA、肌の色や紙も、遺伝的な要素はありますが、その後の育ち、環境や習慣によって大きく変わってくるのです。
人は必ずしも自分の顔や声で職を選ぶわけではありません。しかし、双子でも、一人がホテルマン、一人が魚屋さんになったら、20年後の声は全く異なっているでしょう。
私は、生まれつき持っている条件と、育ちで持つようになる条件とを研究しています。トレーニングを行なう状態での個別の違いは、当然レッスンの方法やペースにも関係するからです。
医者や学者に会うのはそのためですが、一般的なことは少々わかりますが、高度なトレーニングをしていく人(トレーニングが日常から切り離せない人から、その状況で育った人も含む)には、当てはまらないケースが多々あります。
何をもって同じか違うかということと、違うと同じとは、どの範囲のことかということになるので、声の使い方で声はかなり変わって聞こえるし、声そのものも変わっていくこともあります。