声の弱かったために、丁寧に丁寧に声を扱っていた平幹二郎さんと、強く出し、潰しては強くしていった仲代達也さんの話をときおりします。自分に合ったやり方を見い出すこと、知ること、選ぶこと、そして、つくることです。ヴォイトレも、表現と同じ、個性と同じで、一人ひとり違うのです。どのやり方がよいなどというのを自分不在の、机上の空論に巻き込まれないようにしましょう。
誰かがよいと言っても、そこに大して根拠がありません。あなたに対してどうなのかとなると、ワンオブゼムに過ぎないこともよくあります。電化製品やレストランの評価でもかなりばらつくでしょう。人によって味覚も違うのです。未熟なトレーナーほど、自分が一番よい方法を知っていると思っています。
自分×将来への時間×努力×やり方(メニュやトレーナー)という変数を無視して、一つだけを見ても何にもなりません。あなたがレッスンをあまりうまく役立てられていないなら、こういうことをもう一度考えてみてください。