原始的なものとして、反射作用で声をあげるということがあります。火に触ったときに「熱い」などと、考えるまでもなく私たちは反射的に避けようとします。手を離しながら「アチッ」というような、ことばになるかならないかの音を発します。「アッ」「ワッ」でも、息を吐き捨てて音を出すのですから、世界中で似たような音声を使っていますね。
よく似た例では、火を吹くようなとき、息の音で吹く(hu)のようなH音が世界中の言語で使われています。
これは動物でも同じなのですが、発声の器官の機能が備わっていないと充分な声は使えません。羽をこすった音で求愛する虫はいても、それは声ではありません。カエルのは声といえるのでしょうか。
このあたりの違いには、民族の差や性差、年齢差もあります。とはいえ、発声器官という生体では、フィジカルな要素に負うところが大きいのです。