私は、ゆとり教育を否定してきました。理念はともかく、現実として実践しようとしていることが理念と違って悪い結果しかもたらさないことが明らかだったからです。それなら、昔の軍事訓練、寺子屋、農業実習などを経験させる方がよいと思いました。今さら言っても仕方ないのですが。
日本では銃を持ったり、憲法を変えたら戦争になると信じている人が多く、今だにこういう発言はタブーですが、「はだしのゲン」の一件でもわかるように、よくないことが描かれたものは隠せと言い、そういう反対があれば、すぐ引っ込める。世間ともいえない一部の主張に及び腰で、何でも事なかれ主義で対してしまう。気にくわないことは悪のように言ってしまう住民、それを言われるままに鵜吞みにしてしまう役所の方が、よほど怖いでしょう。一個人としての思慮ないのです。
たくさんの知識は、暗誦で身に入るのですが、インパクトを受けたものが、その人の精神、思考を形づくります。その組み合わせから、異なる個性も行動も生じるのです。
レッスン室では声のプレーでも、ことばを与えていくことがとても大切です。インプットが充分でないとアウトプットのクリエイティビティは生じないのです。