私は音楽や歌で人生を変えられた一人ですから、わかるのです。まさか10代からそのまま続くと思いませんでした。
歌は一曲3分で、人の、人類の運命を変えるほどのものです。今さらここで述べなくてはいけないのかと思いつつ続けます。
佐村河内守氏の事件が日本中を賑わせました。ベートーベンであれ、偽ベートーベンであれ、音楽を作曲家の人生上の苦難と結びつけたところの商売は、それに乗っかった時点で、買った方も騙されたなど言えるものではありません。
新垣勉氏のコンサートは、彼の半生のフィルム上映から始まりました。先の告発者の作曲家の新垣さんと別人です。そういえば、都知事選の連続落選で有名になってしまった天災発明家、中松義郎氏のオフィスに初めて行ったとき、会う前に氏の半生のフィルム上映があったのを思い出します。
ベートーベンが耳が聞こえないのにつくった曲だから、私たちは感動するのではないのです。感動商法が隆盛になって、それにのっかっただけです。満足させるようなことで、プロデューサーが主役となったのは、今に始まったことではありません。
私たちも作家もアートの製作者も、仕事で感動を与えるチャンスがあれば活かそうとしています。歌手は、その最たるものでしょう。