「開運!なんでも鑑定団」(テレビ東京)ではないが、価格に一喜一憂するのはゲームです。価値そのものは違います。ところが、トータルとしてプロデュースして、トータルとして受け取るサービスに慣れてきた私たちは、一つひとつの価値について鈍くなっています。500円なら許せるが5000円なら許せない―それがおかしくないというなら、金の亡者になっています。虫一匹、皿に入っていて店がつぶれる、そんな日本に生きています。
つまらぬことに敏感になり、もっと大切なことの鈍感になりつつある、そのなかで生の体からの生の声を取り出す、加工せず、形もつけずに、そこに対していくのは職人技、奇跡にも近くなりつつあるのかと思うのです。
「歌」というと「マイクは?」というところから一度、抜け出す必要がありませんか。