今のエンターティメント、最初から人を楽しませられるものとして出してきます。歌い手もそれを目指しているところで、すでにアーティストでもアートでもないのです。いつの時代も9割はそうであり、1割が次の時代につながることをやっていました。わけのわからないことをハイレベルでやっているから目が離せないのです。この1割がいるかどうかが、そのアートの寿命を決めるのです。それを殺すのは、多くは保守的な古いファン、そこへの順応なのです。
その古い時代、古いファンに合わせようとして若い人が出てくるのをみると、さすがに絶望的になります。そこでの「仲良しクラブ」が、芸の命を短くします。そこでは古いファンを拒み、先のアーティストを超えようとしてこそ、結果として、芸がつながるのです。それが伝統というものです。
つまり、師や親を乗り越える、相撲でいうところの「恩返し」です。いつも先代や先輩を追っては、何も残りません。他分野へ転身してでも活躍した方がよいと思うのです。