私の強みは、声の芯づくりですが、歌い手のサイドに立って10年、さらに歌手を10年みているうちに、音楽の演奏というのが入ってきました。いつしれず、歌の音楽性と声の表現を判断する耳が売り物になっています。
声づくりで、芯が共鳴を伴ったままに上げていくと、ベルティングという唱法になります。これも強い地声ということで、頭から否定する先生もいます。とはいえ、「地声で歌ってはダメ」と言う先生は、さすがに減ってきました。
地声が何を指すのかの定義なくして論じても意味がないのです。誰も原点である用語の定義をせずに自分の使いたいように使ってきたというくだりは、これまでも述べてきました。ベルティング、ミックスヴォイス、ビブラート、地声、頭声、胸声、腹式呼吸など。
研究所では、このような用語は、定義するのでなく、いろんな使い方で使われているということで、あまり狭く意味を決めつけないようにしています。多様な使用法を認めざるをえない、といったところです。