レクチャーや一般向けのワークショップでは、基本とともに基本の応用を、それがなぜ必要とか、それを行なえばどうなるのかの説明が求められることがよくあります。個人レッスンでも最近はその傾向が強いです。私のところもそこで1万件のQ&Aを公開しています。
それは、レッスンが質疑応答で終わってはいけないからです。私が言語化して、文章で伝えること、会報や本で公開するのは、レッスンで、声だけ、あとは無言、無音で進めたいからです。ですから、これを読んでいる人は、レッスンでは質問にくるのでなく、静かに淡々と自分の声に集中する時間を大切にしてほしいと思っています。大切なのは説明でなく、本人の気づきです。変化、感覚、体の育成です。
表面上の効果を急ぐ人が多いので、サービス精神旺盛なトレーナーは、そこでのわかりやすい説明で相手を納得させる方向にレッスンをプログラミングします。
私は、本や会報をその役割に使ってきたので、レッスンでは静かです。本ではていねいなのにレッスンでは教えてくれないと思われたら本望です。レッスンは個別対応ですから、その人の人生の時間軸、空間軸から捉えていくので、そんなに簡単にアドバイスできません。
その場を(つまり相手を別の思惑で)満足させるアドバイスはできますが、あえて避けます。ここのトレーナーも競争意識や親切心など、生徒のためにたくさん話すようになると、私はたまに釘を刺します。