ヴォイストレーナーは、声に関して、芸道の基礎を作っていく、という役割があります。これは、声楽家のトレーナーでも声楽かぶれしていなければ、半分はお任せしてもよいと思います。
もう一つ、表現のオリジナリティを見抜くこと、これは、音楽プロディーサーやディレクターの役割ですが、日本の場合、多くをビジュアル面に負っています。ルックスやスタイル中心と音楽性の判断にすぐれた人はいるのですが、なぜか歌の声にまで至っていません。そういう人は歌としてみると、声のよし悪しでなく、音楽としてのよし悪しでみてしまうのです。
本当のオリジナリティは、その間に、その人の声が歌いだすとき、歌と声が一体化するときに生じるのです。心と体の一致といってもよいでしょう。
私は、
1.声そののもの魅力
2.声のフレーズでの魅力
3.フレーズの組み合わせの魅力
と分けてみています。1は生来持っている声、2は音楽性で比較的わかりやすいのですが、どう化けるかわからないところです。よほどの人でないと意図して取り出せません。