私の体験でも、プロとして、自立して一本立していく人は、楽しいとか楽しくないとか、そんなことではありません。聞く人やみる人が「楽しめるかどうかが全て」というのは、当たり前のことです。
アスリートが、昔の特攻隊のように、オリンピックへ日本代表としての覚悟をもって臨み、本番で固くなって実力を発揮できなかった、かつての日本人選手の反動として「楽しんできます」とか言えるようになった。そのために勘違いが加速されたと思います。スポーツとアート、そのなかでもミュージックとは違いもありますが。
でも、「百年分」の努力があって、ようやく人前で楽しむことに入れるのは、ダンスや音楽でも同じです。アマチュア精神的なものをよしとしても、目的が違うだけです。
ハイレベルな人のことばを、そのまま自分にあてはめてはなりません。
プレイヤーやダンサーは絶対量が必要です。ヴォーカリスト、役者は量とはいえないところがあります。楽しんでそのままプロになれた人から、そういうことばが出るから、自分もそうだと思うと厄介ですね。